ロープアクセスとは?

 元々海外のケービング(洞窟探検)やクライミングの技術と道具から産業用に進化したもので、現在海外の多くの国では、山岳道具は持ち要らず、EN規格(産業用の規格)のロープや機材を使用し、各国で定める高所作業の労働法に基づいたロープアクセス有資格者が作業に従事しております。

 現在、日本国内法においては、平成28年1月1日よりロープ高所作業特別教育が施行され、本年7月1日から適用となっております。この講習を受けていない人は、高所ロープ作業に従事できません。

 弊社におきましては、国内法は元より、ロープアクセスの国際標準を元に世界一安全なIRATAシステムを運用しており、従来の高層ビルのガラス清掃等にみられる、レジャー用登山用品は使用いたしません。

 日本の規格よりも厳しいEN 規格をクリアした、フルボディーハーネス、パニック防止機能付き下降器、自動追従型墜落防止器具を使用し、ロープは2ロープシステム(メインとバックアップを別々に取る)で、セミスタティックロープ(静荷重28KN~30KN )を使用しております。(1KN =100Kg)

 スリングやカラビナは22KN 以上の物を使用し、現場作業における運用荷重にあたってはナイロン製品等は破断強度の1/10、鉄アルミ製品は破断強度の1/5で運用しており、より安全な作業を徹底しております。

 資器材は常に作業前点検を行い、1ヶ月に一度総点検し、購入履歴と点検履歴を取っております。

弊社では、定期的にレスキュー訓練も行い、いつ如何なる状況下でも対応できるように備えておりますが、万一の為に損害保険、傷害保険にも加入しております。

 

IRATA テクニシャンのみで現場にあったチームを組む事により、リスクアセスメントの徹底、高い安全意識と作業時のアクセス技術はもちろんのこと、レスキュー技術も共通認識を持っており、安全かつ円滑に作業を遂行する事が可能です。

ロープアクセス工事のメリット


○仮設足場の組めない狭小部に安全に下降し、登り返しを行いながら作業が出来ます。

○足場等によく見られる、安全帯の掛け変えがなく、最初から作業終了まで2本のロープに繋がっている為とても安全です。

○足場の組み立て、足場の解体がない為、工期を短くすることが可能で有り、予算的にも低予算での工事が可能です。

○作業箇所に到着後、ワークポジショニングを確保し両手を使っての作業が可能であり、オーバーハングや工場内の梁に対しては、エイドクライミング工法を用いて、安全を確保した状態で両手を使っての作業ができます。

○ロープアクセスは下降、登高、横移動が可能です。

○IRATAシステムのロープアクセスはリスクアセスメントを徹底し、レスキュー計画を立てた上で作業を行いますので、万が一作業員が熱中症等になった場合でも、迅速に1対1(或いは2対1)で要救助者をレスキューする事が可能です。


施工事例


ダクト撤去工事

ロープでは寄り切れない場所も、エイドクライミング工法で施行することが可能です。

 

 

 



 

外部エアコン配管及びスリムダクト工事

 

新宿区内某所12階建てビル。室内機4Fテナント室外機屋上。3分5分配管4系統をスリムダクトで施工。作業日数1日で完了一階部分にフェンスがあり外に出られない為、最後は屋上までロープを登り返して帰還しました。


ダクト撤去工事及び新規スパイラルダクト立ち上げ工事。

都内大学内。下はキャットウォークでダクトや配管が入り組んでいる為、足場が組めない環境でありレスキュー計画を立てた上で作業開始。


角ダクト立ち上げ工事

千代田区内、2Fから5Fまではビルとビルの間が450mmしかありません。

ダクトの左右に別れて、下降と登高を繰り返しながら作業を行い、2F店舗から11F屋上まで2日で施工完了。

他の施工写真はギャラリーをご覧下さい。


 



屋上に吊り元(鉄骨や丸環)がない場合は、お客様の許可をいただければ、ロープアクセス用のアンカーボルトを打ち、吊り元を作っての作業が可能です。

 

工事後、定期的な点検等がある場合はアンカーボルトを残置します。工事終了後にアンカーボルトが不要の場合は、ボルトを埋め込み、モルタル等で穴埋め処理が可能です。


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